People Design Lab 代表の駒井です。 日々、組織デザインやマネジメントの現場に携わる中で、リーダーの皆様から最も多く寄せられるお悩みの一つが「部下とのコミュニケーション」です。 本コラムでは、組織の成果を最大化し、自律的な成長を促すためのエッセンスをシリーズでお伝えしていきます。
「褒める」をアップデートする
マネジメントにおいて「褒める」というアクションは、単なる気遣いではありません。相手の心理的安全性を高め、コミュニケーションを円滑にすることで、こちらの提案や意見を受け入れやすくするための「戦略的なアプローチ」でもあります。
しかし、残念ながら「正しい褒め方」を正しく理解し、実践できているリーダーは驚くほど少ないのが現状です。
「ただ良いところを口に出せば、相手は喜ぶはずだ」 もしそう考えているとしたら、それは少し楽観的かもしれません。人は、表面的な言葉だけで動くほど単純な存在ではないからです。
実は、褒め方の視点を少し変えるだけで、社内のマネジメントはもちろん、子育てやあらゆる人間関係が驚くほどスムーズに回り始めます。今回は、人を成長させる「3つの褒め方」のうち、最も基本的で重要な1つをご紹介します。
結果ではなく「プロセス」の解像度を上げる
人を褒める時に最も大切にしたいのは、「相手がそのプロセスにおいて、何を一番努力していたか?」という視点を持つことです。
例えば、チームメンバーのAさんが、これまで苦戦していた目標を初めて達成したとします。ここで多くのリーダーがやってしまいがちなのが、結果そのものを褒めること。
- 「目標達成おめでとう!よくやったね」
もちろん、結果を称えることも大切です。しかし、本人にとって結果は「すでに出たもの」であり、そこを強調されるだけでは、心の奥底にある「認められたい」という欲求は完全には満たされません。
成長を促す「努力ポイント」への着目
人を成長させるマネジメントを実践するなら、「相手の努力(苦労した)ポイント」を具体的に称賛してください。
- 「あの時、あえて手法を変えてアプローチし続けていたよね。あの粘りが今回の結果に繋がったんだと思うよ」
- 「資料作成の際、今回初めて構成を工夫していたよね。あの視点の変化が素晴らしかった」
もし、目に見えない部分で何に苦労したのか分からない場合は、本人に直接聞いてみるのも一つの手です。 「今回の達成、何が一番の決め手だった?」「どこが一番大変だった?」と問いかけてみてください。
本人の口から語られる「苦戦したエピソード」こそが、その人の成長の種です。 その「努力のプロセス」をリーダーが認識し、結果と結びつけて賞賛することで、Aさんの心には「自分のプロセスを見てくれている」という深い信頼感が生まれます。
この成功体験の言語化こそが、次なる成長へと向かう強力なエンジンになるのです。
いかがでしたでしょうか。 「結果」という点ではなく、「プロセス」という線で相手を捉えること。明日からのコミュニケーションに、ぜひ一つ取り入れてみてください。 次回は「3つの褒め方」のその2についてお伝えします。
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